「死亡前死因分析」とは | 新規事業の立ち上げが失敗する方法とその原因

死亡前死因分析とは

死亡前死因分析とは実行しようとしている計画が失敗した」という前提の元で何が原因で失敗したかを分析することです。

ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?」こちらの本で紹介されている内容が有名の様で、下記の引用を他のサイトでもよく見ます。

「いまが一年後だと想像してください。私たちは、さきほど決めた計画を実行しました。すると大失敗に終わりました。どんなふうに失敗したのか、5 ~ 10分でその経過を簡単にまとめてください」

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?  (ダニエル・カーネマン)

プロジェクトを成功させるためにこの「死亡前死因分析」が行われる様で、現在のプロジェクトの弱点を洗い出したり、起こり得るリスクを洗い出すことができます。

例えば、悲観的に現在のプロジェクトを見ることで、「このサービスは〇〇だからうまくいく!」とか「現在の世の中は〇〇だからこれは必要!」みたいに現在の方向性を肯定する意見が強く伝えられることで、その下に潜む想定外のリスクを見落とす、みたいなことを避けることができる様になります

新規事業で起こり得る失敗

新規事業における死亡前死因分析はどの様になるか少し考えて見ました。

事業計画

・そもそもそのサービスの需要がない

まず考えられるのがそもそも作ろうとしているサービスの需要がないということだと思います。

どんなに質の高いサービスを作ったところで需要がなければ対して使ってもらうことは出来ず失敗に終わるでしょう。

・他に良いサービスがある

需要があったとしても競合他社がいて、その会社も良いサービスを展開していた場合はその会社と競争していかなければいけません。

需要がある場合はすでに同様のサービスが複数ある場合があるので、その競合のサービスと差別化出来なかったり、その競合サービスの劣化版を作ることになればそれは失敗に終わってしまいます

事業立ち上げ

・サービスの強みを理解していないPR

どんなに良いサービスでもマーケティングを行う人がその強みを正しく理解しておらず、説明できないのであればその強みは意味のないものになってしまいます。

・コミュニケーションの不足

現在はコロナによってリモートワークを導入する企業が増えていると思います。

リモートワークによってコミュニケーションが減り、そのことで意思疎通がうまくいかないことがあると思います。

例えば、顧客の要望を開発側にうまく伝えれていないとか、現在のチームの問題点、改善方法などに関しても話し合われず、とりあえず流されるまま作業をこなすだけになり、中途半端なプロダクトが完成することになることもあり得ると思います。

・質が低い

webアプリケーションの作成に付き物なのがバグだと思います。

全くバグのないアプリケーションの作成はほぼ無理だと思いますが、そうはいっても可能な限りバグは少なくしたいです。

事業の立ち上げにかけれる時間が少ないためにバグや質の低いUIなどのままリリースしてしまうと、その使いづらさからユーザーは離れていってしまいます。

ユーザーはそのサービスが成長するまで待ってはくれず、最初に使った際に使い辛いものだとそのイメージが強く残ってその後は見向きしてくれなくなります。

事業の拡大

・顧客の意見の反映が遅い

完璧なサービスなんてものはおそらくなく、要望を元に常に改善することが求められると思います。

ただ、この改善に時間がかかり、極端な話になりますが要望通りにサービスを修正するのに10年かかる様であればそれまで待ってくれることはないので忘れ去れてしまいますし、結局失敗に終わります。

・方向転換ができない

常にサービスの方向性を見直し、より良いサービスのするために行動していく必要があると思います。

ちょっとした「ここ微妙だな〜」といったポイントも多くなればそのサービスが嫌いになる十分な理由になると思います。

常に現状の問題点を洗い出し、サービスの内容を改善していかなければサービスは衰退していってしまいます。

盛大に失敗した「ZOZOスーツ」

少し新規事業での失敗の仕方を考えて見ましたが、これが具体的なサービスになればもっといろんな失敗事例が浮かんでくるかなと思いました。

ZOZOスーツは盛大に失敗に終わりましたが、失敗に終わった後その原因を考える記事が良く出ていたりします。

どれも、「それなんで途中で気付かなかったの?」と思う事ばかりだったりします。

意外と大きな企業でも立ち上げるサービスの内容を批判的に見ることはせず、「ネットショッピングで服のサイズを正確に測ることができるサービスがあればもっとたくさんの人に服を買ってもらえる!」といったことしか考えない様です。

そして、そのまま突き進んだ結果は何十億のおもちゃの制作を行ったりすることを考えると「死亡前死因分析」はとても大切な考え方かと思いました。

ZOZOスーツでの問題

zozoスーツでの問題は

  • 度重なる配送遅延
  • 採寸結果の誤差
  • バグ、不具合がある
  • 実際に着用して採寸するのがめんどくさい
  • 姿勢や周りの明かりなど様々な要素で正しく動かなくなる
  • サイズ間違いはいやだけど不具合に耐え、スーツを着て時間のかかる採寸作業を行うほどではない

といったことが挙げられます。

服のサイズの確認を行う際に、バグ、不具合などがあると結局めんどくさくなって使わないだとか、ユーザーがめんどくさがりであることが忘れられていたんだと思います。

もし、バグが多ければユーザーがめんどくさくなって使われなくなるんじゃないかとか、

もし、採寸までの手順が多ければめんどくさくなって使われなくなってしまうんじゃないかとか、

そこら辺を考える必要があったのは間違い無いです。

まとめ

これが正しいんだ!」とか「今の世の中にはこれが必要だ!」とかそういった考えのもとでサービスを立ち上げるのは良いと思うのですが、その上で「本当に正しいのか?」とか「本当に必要なものか?」とかもう一度立ち止まって考え直し、失敗するケースを考えていくことが大切そうです。

これは最初の計画時の話だけではなく、プロジェクトの途中でも定期的に考えるべきなことだと思います。

zozoスーツ」が良い例だと思うのですが、誰かしらが途中で批判的な考えを持ち出し、「こんなめんどくさいことはユーザーはしないよ!」と言って方向転換できれば成功していたかもしれません。

おそらく一度プロジェクトが進み始めると、そのプロジェクト自体を批判することはし辛いのと、基本的に普通に働いていればお金はもらえるので、わざわざ周りに嫌われる様なことを進んで言う人はいないんだと思います。

特に上にいる人が、強めに「これは正しい!」とか「うまくいく!」と言っているとそこに違うというのは結構な度胸がいります。

ですので、プロジェクト単位で定期的に「死亡前死因分析」を行いサービスを見直す作業を行う形にすれば、言いたいことが言いやすく、正しい方向へプロジェクトを進めていくことができます。

長くなりましたが、新規事業に限った話では無いと思うのですが、何か計画を立てて、その計画を実行する際は「死亡前死因分析」を行い、その上で失敗しないためにはどの様に対策を取っていくべきか考えていくのが大切そうです。

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